神経伝達物質を増やす

男性

時には睡眠薬の代用として

ノルアドレナリンやセロトニンが脳内で減少すれば、意欲が激減して無気力になるなど、うつ病を悪化させます。それを改善してくれるのが抗うつ剤であり、沢山の種類がうつ病の治療で使われているのです。三環系の抗うつ剤は、数ある種類の中でも特に古い薬ですが、脳内でノルアドレナリンとセロトニンを増やす効果を持っています。ただし、それらの神経伝達物質だけに作用するといった選択的な能力はありません。それに対して比較的新しい種類のSNRI系は、ノルアドレナリンとセロトニンだけに作用する能力を持っており、その2つの神経伝達物質を選択的に増やします。そのため三環系に比べて副作用が少なく、うつ病の治療では一番初めに処方されることも多い抗うつ剤です。さらに即効性も期待でき、早ければ10日も経たずに意欲が向上するほか、不安や落ち込みなども改善される場合があります。また、ナッサと呼ばれるNaSSA系の新薬は、SNRIとは作用方法こそ違いますが、ヤル気を高めて不安などを改善してくれるのです。抗うつ剤の使用目的は、心に現れるうつ病の症状を改善することですが、種類によっては別の活用方法もあります。その代表的な抗うつ剤には四環系があり、この種類は三環系の副作用を減らすことを目的に開発されました。ところが、副作用を減弱させることに成功したものの、その代償として効き目も減ってしまった抗うつ剤でもあるのです。しかし眠りを深める効果があるため、心療内科や精神科では、睡眠効果を狙って処方される場合も少なくありません。通常の睡眠薬は依存症になる恐れもあるのですが、四環系の抗うつ剤は元々睡眠薬ではありませんから、依存性がないことでも知られています。また、四環系の流れを組むNaSSAも深い眠りを誘う効果を持っているので、同じように活用される場合があるのです。特にメランコリー型のうつ病では不眠症状が出やすいため、医師の判断により、それらの抗うつ剤が処方されます。そのほか、人によってはSNRI系の抗うつ剤を服用すると不眠になりますから、もしもその副作用が出た場合も、四環系やNaSSAを用いることがあるのです。